1962.7 一年夏合宿

1年の夏合宿は魚沼コースだった。コシヒカリで有名な新潟県魚沼である。魚沼三山と呼ばれる八海山、中岳、越後駒ヶ岳から荒沢岳を経て奥只見ダムへ下り袖沢を経由して会津駒ケ岳へ抜ける予定である。八海山は日本酒名としても有名である。この八海山が私が登った最初の大きな山である。
夜行列車(夜汽車というほうが雰囲気が正しい)で東京まで行き、上越線で清水トンネルを抜けた。これが生まれて始めての東京だったが下車はなく窓から見ただけ。夜明けの寝静まった東京を通り過ぎた。
ちょうど梅雨明け目前の雨で合宿初日の炊飯には苦労した。半生の良く燃えない木を無理やり扇いで炊いたため煙くさい燻製のようなご飯になった。

八海山には頂上にいくつかの岩峰があり、掛けられている鎖を頼りに越えていった。始めての合宿の大きなザックを担いで岩を越えるのに苦労した。
さらに私たちを待ちうけていたのは雷である。丁度梅雨明けの雷雨が来襲しおかめ覗きという狭い尾根上で非難する所もなく斜面にしゃがむなどした。何もかもが帯電しているらしく人と鍋の間で火花が飛んだりしてびっくりした。さいわい被雷はなかったが文字通り髪の毛が逆立つようだった。

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