1965.3 春合宿(2)

日照開拓村は荘川村岩瀬にあり、満州開拓団の人たちが引き揚げ後に入植したところである。名前の由来は荘川の谷越しに見える日照岳に由来している。ここでお世話になった上田さんにはその後もずっとお付き合いいただいた。
2軒のお宅に分かれて開拓地に入植した頃の話などを夜遅くまで伺った。もともとは岐阜県各地から満州開拓団として行った人たちが終戦と共に内地に引き上げてきてここに入植したのである。ずいぶん苦労をされ灌漑用の池も出来、やっと米がとれるようになったと聞いた。部屋のストーブで漬物を焼いて食べた。
次の日は休養日だった。良い天気で雪原を目をつぶって歩いたりして遊んだ。目をつぶってまっすぐ歩いた積りでも大きく曲がってしまうのが面白かった。
六厩(むまや)という村にも行った。話を伺ったお爺さんはなかなかのインテリであった。出された渋茶に舌が痺れた。いや舌が曲がったというべきか。
さらに峠を越えて集結地の原山スキー場まで歩いた。峠を越える朝は大変冷え込んで前日濡れた靴ひもが凍ってまっすぐ立っていた。

日照開拓村はその後何回か訪れてよく岩魚釣りをした。当時は近くの小さな渓流でも良く釣れた。今は放流ヤマメしか釣れない。高速もできて交通の便も良くなり、ゴルフ場、スキー場、あるいは分譲別荘地となっている。

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